7月 1日
梁石日の「血と骨」を読んでたせいなのか、ここ数日毎晩悪夢にうなされつつ目覚めているうちに、本格的な夏はすぐそこ、今年も後半に突入。七月文月は、七夕月、七夜月、のほかにも、愛逢月(めであいづき)とも呼ばれるそうだ。
パリ祭の季節でもあるこの時期、自分も忙しいが、いろんな先輩方のパリ祭のステージを拝見する機会も多い。
  巴里祭 モデルと画家の 夫婦老い(中村伸郎)
  汝が胸の 谷間の汗や 巴里祭(楠本憲吉)
  濡れて来し 少女が匂ふ 巴里祭(能村登四郎)
なにかが起こりそうな気配を感じる季節だが、忙しくて何も起こらない季節でもある(^^;;; 現実が無理なら、ちょっとロマンチックな本を選んで、今夜は愛逢月にふさわしい素敵な出会いの夢を見よう・・・かな。
 7月 3日
両側にある植え込みの紫陽花の青を楽しみながら長い遊歩道を歩き、久々に「アトリエ・カナル・グランデ」に伺った。カンツォーネ歌手の後藤姉妹がイタリアからの音楽をいち早く公開してくれる素敵な例会である。今回はルチオ・バッティスティの残した名曲50選を聴いてきた。さすがに上位20曲くらいになると知っている曲が多い。それにしてもイタリアは、サッカー選手もかっこいいが、歌手もかっこいい!咽喉が丈夫なのか、男女共に太くハスキーで存在感のある声をもっている。言葉が判らなくても、充分堪能してきた。終わってから、大好きな先輩歌手の後藤啓子さんとワインを飲みながらのおしゃべりが出来たのも嬉しいひと時だった。
うちに戻ってから読み始めた、篠田節子さんの「マエストロ」。死体のでてこないミステリー、バイオリニストの物語に引き込まれいっきに読みきった。おかげで今朝は、寝不足の頭の中に渋い歌声やクラシック音楽や、いろんな音がぐるんぐるん渦巻いている気がする。

 《遊歩道》
 7月 6日

《明日の記憶》

《ジャスミンの花開く》
荻原浩さんの原作読んでから観るなんていってるうちに終わっちゃいそうで、昨日は若年性アルツハイマーがテーマの「明日の記憶」を観にいった。重いテーマの映画だったけど良い作品で、いっぱい泣けて泣けて、ロケに使われた安曇野ちひろ美術館の透明感のある風景を見ただけでも涙がこぼれた。主人公の妻役の樋口可南子さんが、素晴らしい。
今日は「ジャスミンの花開く(茉莉花開)」に行く。チャン・ツィイーが、茉と莉と花という、母、娘、その娘と三代の女性を演じている。最初は描かれている女性の生き方があまり好きじゃないと思いつつも、クライマックスで三代目の女性「花」が雨のなか自力で出産するシーンは大迫力で、この女優さん可愛いだけじゃないんだと思わせてくれた。
演じる女優がよかったせいもあるけれど、内容はまったく違うが、女の人って大きくてたくましいと思わせてくれた映画2作品だった。
 7月 9日
昨日おこなわれた第44回パリ祭。NHKホールは大きな会場なので、じっくり歌を聴くというよりショウを楽しむといった演出だった。立ち位置や動きなど歌以外のことにも神経を使う舞台、先輩やお仲間の歌手の皆さん、リハーサルを繰り返して皆で造る舞台、本当にお疲れになったことだろう。客席にも知り合いが多くて、休憩時間美味しそうにビールを飲んでたら、沢山の人に声かけられた〜、見つかってしまった〜〜!
明けて今日は、地元のスポーツセンターのお仲間と、夕刻から屋形船に乗る。3月に桜の花見でもご一緒したお仲間と、船宿「深川 富士見」の船で、夜景を楽しみつつの大宴会。サービスでたっぷり廻ってくれた川遊び、お大尽気分を味わえ、プラス、ご近所の知り合いが更に増えて、楽しい宴だった。皆は今ごろ門仲で二次会かな?私は明日からのお仕事のため参加せず家に戻る。明日のご飯はお土産にいただいた天ぷらで天丼かぁ!?この模様は、後日写真をUpするつもりです!

 《パリ祭》



 《屋形船》
 7月11日
早朝に、甥っ子に二人目の赤ちゃんが生まれた。予定日を過ぎてもなかなか出てこないのんびりちゃんだったのだが、母子共に健康、めでたく嬉しい一日のスタートだ。
予定がキャンセルになり何も無い日なので、音楽漬けで過ごしていたら、群馬にお住まいの同門の歌手、林千春さんから電話が・・・彼女は地元でもだが東京にも歌いにいらっしゃったりして、ご自分のペースで歌とかかわり続けて頑張っておられる。メールもしてるけれど、なま声でお話しするって、やっぱりいい。お身体が弱いので心配だったが、元気なお声だったのが嬉しくて、話がはずんで珍しく長電話をしてしまった。林さんのブログも是非たずねてみてください。女性らしい細やかさ、優しさに溢れたブログですよ♪
 7月14日
昨日は新宿永谷ホールに講談を聞きに行った。なまの講談を聞くのは2度目だが、それぞれの講談師さんに個性があり、女性講談師さんも美人で華やか、目線や間のとり方など表現力も勉強になった。古典から新作まで楽しんでたくさん笑った後は、8人でお茶タイム。これがまた個性的な面々。大学教授に雑誌の元編集長、鍼灸師、作家、有名な講談師のご子息、音楽を習ってる方、、、そして、私も普通の仕事ではない。途切れる事ないお話が次々と繰り出され、面白い、会話のテンポも内容もエネルギーも凄い!あっという間に時間が経つ。私よりも年上の方が多かったが、歳とることって素晴らしいと思わせてくださる方達との出会いはとても貴重なものだった。これから度重なるだろう異文化交流(笑)が、楽しみである。
 7月16日


《嫌われ松子の一生》
先日TVで放送された映画「下妻物語」がアヴァンギャルドで面白かったので、同じ中島哲也監督の映画「嫌われ松子の一生」は見逃せないぞ、と出かけてきた。
主人公、川尻松子が昭和22年生まれという時代背景もあるが、サイケデリック(サイケって、ほぼ死語かな〜)でポップで、カメラワークやテンポも良くって、もちろん音楽も懐かしい曲を含めて良い曲順だし、満足して帰ってきた。これでもかというほどドップリと暗い松子の人生なのに希望が感じられるのは、この監督ならではだろう。
終わって劇場を出るとき後ろを歩いていたカップルの話が耳に入る。女「つまらない、どこが良いのかさっぱりわからないわ」男「えぇ〜!?すごく面白かったじゃん」賛否両論!
この内容でミュージカルで、ぶっ飛んでて、確かにこの監督のセンスがわからなかったら、ついていけない映画かも。でも万人に程よく評価されるなんていうのよりも良いじゃん、面白いじゃん、とオバサンはひとりごちるのであった。 
 7月19日
巷は15日から17日の海の日まで三連休だったんだ。一般の休日と関係ない職業なので、曜日がわからなくなってしまいそう。仕事もあったし、入院しているYさんのお見舞いに行ったり、歌の発表会に出かけたり映画を観たりで過ぎた。
先週続いた猛暑酷暑、せっかく身体が耐暑に備えて覚悟できてたのに、この急速な温度差はなぁに?寒い、寒くて目が覚める。風邪に気をつけなくては!風邪ひいていられないスケジュールなのだ。
23日は五反田のゆうぽうと簡易保険ホールで歌うが、ここは1800席のホールなので、ちょっとはカッコよく見せたい女心、シェイプアップに向けてプチ努力中。ビールでは太らないけど、ビールのホップと炭酸が胃を刺激し食欲が湧くからつまみに手が伸びる、という実験結果があったようだ。確かに身をもって実験済み。・・・で、仕事を終えて家に帰ってのゴクリ咽喉ごしを控えている。我慢、がまん、ガマン、がんばるぞぉ!

 《休日の銀座
歩行者天国》
 7月21日
昨日は、ピアニスト加藤るり子さんのクラシックの演奏会に行った。毎年出来る限り聴かせていただいている。去年のリストもよかったが、今年のシューベルトも、更にパワーアップ。さすがにストイックに生きているるりちゃんだけのことはある。有言実行(笑)!近くに住んでて年齢も近くて、たまに我が家のドアノブに、ワインのボトルなんぞぶら下げてくれているるりちゃん。終わったあとのこぼれる笑顔も素敵だった。
そのあとはもう一箇所、お友達のライヴを聴きに、急いで銀座まで。最終ステージに間に合い、客席にもお仲間の顔があって、なんだか初めて訪れたライヴハウスの気がしなかった。
早めに帰れたので、NHKの番組、フランス縦断の旅に間に合った。昨日はリヨンからの生中継。リヨンには行った事がないが、風景や建物、食卓の様子に旅心がかきたてられた。いつになったらのんびりゆったりの旅行が出来るのだろう。
さぁ、現実は時間に追われて今日からハードスケジュールだ。明日明後日おこなわれる、ゆうぽうと簡易保険ホール「ブーケ・ド・シャンソン40周年コンサート」、私は二日目のほうに出演するが、それに向けてのプチダイエットは今のところ順調である。あとは本番、階段を使って欲しいとのことなので、すっ転ばないことを祈るのみ。


 《コンサート》
 7月22日
ここ数年、たまにどうしようもない腰痛に悩まされる。今週もそう。辻本さんに三軸修正をしてもらって楽になった。(エルベという彼女のサロンのHPとはLink済み。)辻本さんは美容師さんでもあるので、明日のコンサートの髪の毛は彼女にお世話になる。大体の希望をお話したが、いつも心を込めて丁寧に美しく仕上げてくださるので、どんな風になるか楽しみである。
今日のレッスンでは、一番若いお弟子さんが、久々にお子さんを連れてきてくれた。私のこの日記に写真が登場するのは3度目だ。お母さんの歌っている「マドモワゼル・シャントゥ・ル・ブルース」という曲をすっかり覚えてしまって、舌足らずだが全部歌える。振り付けも、教えたらすぐ覚えるかも〜〜♪明日で3歳。まわりに居た生徒さん達みんなが拍手喝采。親子二代でレッスンに通ってきてくれるのも、夢じゃない?!

 《花菜子ちゃん》
 7月24日


《師匠と楽屋で!》

《ソロ歌う時の衣装》
昨日の「堀内環とブーケ・ド・シャンソン40周年コンサート」は、大成功!もちろん40年前私はまだシャンソンも知らない年齢だったが、19歳の時に門をたたき大学卒業後しばらくまでご指導いただいた。2日間、お弟子さん皆なが協力しあって作り上げた今回の大きなコンサート、私は前日も仕事の為お手伝いが出来なかったが、出演させていただいてよかった。幅や高さのばらつきがある階段、リハで戸惑ったが本番はうまくいったし、大きい舞台はやっぱり楽しくて、とっても気持ちよく歌った。最後にお客様を出口でお見送りしたのだが、皆さん長時間聴いてくださってお疲れだと思うのに、良い笑顔とお褒めの言葉を沢山くださった。
打ち上げも大盛り上がり(お店の方、他に居らしたお客様、皆な歌うたいで声がでっかくて♪お騒がせ、すみませんでした〜(^^;;;) 師匠はその席で楽屋マナーのこともお話された。本当にいつも大切だと思っていることをおっしゃったので、うなずきながら聞いた。師匠の歌はもちろんそのお人柄も見習って、これからも精進しようと思う。さて、10年後50周年の時、師匠は○○歳・・・師匠なら、50周年も、いけるぞきっと!
 7月26日
新しい朝が来た〜希望の朝だ〜〜♪の歌声で起こされた昨日今日。夏休みでラジオ体操が始まったんだ。毎年この時期何日間かは、このメロディーが目覚まし代わりである。(私のような夜遅い仕事の身には朝6時半起きは、ちょっと辛いけど・・・)今年はなかなか梅雨が明けないので、本格的な夏のイメージとは程遠いが、それでも8月はもうすぐそこ。昨日は井上陽水さんの「少年時代」を、今シーズン初めて歌った。
ラジオ体操の歌も「少年時代」も皆な知ってる曲だが、この曲も日本で大人気の、ベートーベンの第九、歓喜の歌を初めて日本で演奏したという実話を元に描かれた映画「バルトの楽園(がくえん)」を観てきた。第一次世界大戦中の徳島県鳴門市の板東俘虜収容所が舞台で、日本人とドイツ人捕虜の交流が描かれている。収容所の所長、会津出身の松江豊寿は素晴らしい人格者、そのおかげで敵味方を超えた人間愛がはぐくまれ、文化交流が出来たといってもいい。とても心温まる、美しい映画だった。最近日本映画を結構観ているが、なかなかに良い作品ぞろい。来週は札幌でも、映画三昧してこようかな・・・

 《バルトの楽園》
 7月29日
先日講談にご一緒して知り合った作家、市原麻里子さんの本を読んだ。歴史文学賞をおとりになった「天保の雪」。これは短編集で、「月のない宙」「ハンザキ小町」など、それぞれの題材の着眼点が面白い。その中の作品「夢の翼」が大好きだったが、それを子供向けにしたのが「つばさの国へ」である。きっと関係文献をどっさりお読みになり、膨大な取材をなさった事だろう。ほっそりとノーブルな雰囲気の麻里子さんのどこに、こういう作品を作り出すエネルギーが潜んでいるんだろ、と思い浮かべつつ読ませていただいた。

昨日は札幌でお目にかかったご夫妻が、HPで出演ライヴハウスを探して聴きに来てくださった。HPを立ち上げて今日でまる4年。記念すべき今朝、起きて見たカウンターの数字は《38888》、なんと沢山の方が訪ねてくださった事だろう。楽しみだとも言って下さる。私も楽しみながら続けます♪

 《つばさの国へ》

 《天保の雪》
 7月30日


《ムーヴィン・アウト》
ブロードウェイミュージカル「ムーヴィン・アウト」、ピアノ&ヴォーカルのダレン・ホールデンが素晴らしい。もちろん踊りもバンドの他のメンバーもご機嫌で、ダンスを見ながら上段のミュージシャンの方も見るので両脇の字幕を読む間もなかったくらい(^^;;; ビリー・ジョエルはさすがに名曲を沢山創ったものだと堪能した、新宿厚生年金ホールだった。その足で、去年は出演者側だった相模大野グリーンホールの「音楽の泉巴里祭」に向かう。生徒さんが二人出るので(一人は初舞台だし)ドキドキだったが、結果は二人とも上出来!終わってから、ご一緒した方達と食事とおしゃべりを楽しんでいたらすっかり遅くなってしまった。昼間のコンクリートジャングルでの強烈な陽射しはすさまじかったが、帰りには涼しい風が吹いて、長い一日が終わった。そんな今日、関東も長い梅雨がやっと明けたらしい。入道雲と蝉の鳴き声が似合う、本格的な夏はすぐそこだ。
 7月31日
梅雨が明けたとたんに爽やかな風の吹く気持ちの良い日、ご近所のお仲間と映画鑑賞。Mさんの株主優待券のおかげで観た、「パイレーツ・オヴ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」ディズニー作品の面白さ満載、早く来い来いパート3。
その後は、明日の銀巴里へのお土産を買ったり、デパートに頼んでいたものを取りに行ったり、銀座をうろうろ・・・夜は六本木で仕事を終えてただいま帰宅、今日も長い一日だった。
明日から札幌。毎度、北海道に旅立つ前に言っている言葉だけど・・・美味しいものにうつつを抜かして太らないよう気をつけます。しばらくはPCメールが使えないので、メールは携帯にお願いします。私も、素晴らしい北の大地の風景をゲットしたら、写メールしますね。
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