2005年 1月 1日
「去年今年 貫く棒の ごときもの 高浜虚子」
例年と同じく、ステージで歌いつつ新しい年を迎えた。歌い手にとっては、本当に幸せなことである。
今年も一生懸命やりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

「永き夜の とおの眠りの みな目醒め 波乗り船の 音のよきかな」この回文と、七福神の乗った宝船が描かれた紙を枕の下に置いて寝ると、よい初夢がみられるのだと聞き、やってみた去年の元旦。
・・・そして見た夢は・・・
写真を撮ってもらったけどスッピンですごい顔、いやだなぁと思うところから始まり、発表会でハモニカを手に持っていて吹くんだけど左右(低音高音)を逆に持っていて、その後は舞台の上で歌い踊り、続いては大きな一軒家で家事にこき使われると文句言ってる私、その後のんびりと土手を散歩。色つきのなんだか長〜い初夢だった。
今夜はどんな夢かしら?良い夢を見たいものだ。
それから、去年は災害だらけの年だったので、今年は平穏な日々でありますようにと祈らずにいられない。
個人的には、「酉年」の「酉」にさんずいをつけたら「酒」になるから、お酒の飲みすぎにも注意しなくちゃ!

《カウントダウンステージ゙し
たロイヤルパークホテルの
新年飾り》
1月 4日
晴天続きの三が日、のんびり過ごしたお正月も終わり、明日からまた始まる歌い手の日々。
初夢はやはり舞台に立っていたし、今年も頑張りなさいって事かしら。でも体はまだお正月気分を引きずったままで、頭の回転も落ちてるなぁ〜〜。少々花粉症っぽい鼻が不安だけど、声(咽喉)は順調。
一年ぶりに着物を出して、衣紋かけにかける。朱色と緑色の芍薬の着物にしようかと思いつつ、結局去年と同じ紺地に白梅の方にしようと決める。髪をアップにまとめる夜会巻きを久しくやっていないので、一人でうまく出来るか不安だ。お化粧もそうだが、髪の毛が決まらないと、なんとなく落ち着かないのが、おんなごころ。美容院にいってお願いしようか、自分でやってみようか、まだ決めかねている。
いずれにしても、数日しか過ぎていないのに年をまたいだだけで気持ちが改まるので、正月明けは皆様にお会いするのがなんだか新鮮でワクワクする、楽しみである。
1月 7日
昨日おとといは着物で新年ライヴ。たくさんお客様も来てくださり、楽しくはじまった今年。
大きな天災も恐ろしいが、戦争という人災も怖い。年の始めに、穏やかなる日々を・・・と祈りつつの選曲でステージに立っている。
明けて早くも一週間が過ぎて、今日は七草。
秋の七草よりは覚え易い「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」。胃にやさしい七草のお粥は食べず、今日はアンコウ鍋をご馳走になり、そのあとは鍋をオジヤにしていただいた。お酒ももちろん進んだ!のである。
ちっともダイエットを考えていない、健康のことも考えていない食生活、ちと反省。
1月 9日


《巴里の恋愛協奏曲》
今年初めて観に行った映画は「巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)」
1925年にパリで大ヒットしたオペレッタを映画化したものだそうで、アラン・レネ監督、「アメリ」でお馴染みオドレイ・トトゥも歌っている。
見終わって「Pas sur la bouche!(唇はダメ)」という原題が、意味を持っているのがわかった。
1920年代のファッションもすてきだし、歌も面白いし、まるで二幕ものの舞台を観ているよう。
さすがフランス映画、小気味良い会話や小道具に、笑いつつ、オペレッタならではのハッピーエンド。
途中、管理人のおばあさんが歌う歌には、映画館中が大笑い。
私の3列くらい前に、フランス人とお見受けする小粋なおじいさんが座ってたんだけど、随分大きな声で、かなりな勢いで笑っていた。その笑いのタイミングが、字幕を読んでる私(を含めた日本人達)と微妙にずれてて、あぁフランス語がわかると、めっちゃ楽しいだろうに〜と、ちょっとくやしかったぁ。

すっかり忘れていたけど、世の中は連休だったんだ。
明日は成人の日。成人式で一部のアホな新成人が野次を飛ばす場面、ニュースで見たくないな。
1月11日
今日は鏡開き。
故郷では、鏡開きで割ったお餅を焼いて食べた。お汁粉にもしてくれた。かびたところを削り水につけておいて手で割り、不揃いな形だけど、結構美味しかった記憶が残っている。
お餅つきもしなくなった今では、お供えの鏡もちの形をしたパックが売られていて、それも結構一般的になってきた。割るお餅が無いわけだから、鏡開きの行事も知らない子供達は増えていくのだろう。
この間の七草粥といい、こうした季節の行事、若い頃には気にしなかったことが、最近は気にかかる。
欲がいっぱいだった若い頃とは、目を向けるものも違ってきているし、価値観がかなり変わってきたのだろう。
季節の移ろいとともに、毎日を丁寧に生きたいと思うこの頃である。
1月14日
神田須田町の「ぼたん」で鳥すきを食べた。久し振りだったけれど、変わらぬ美味しさ、それに鍋の時期だからか、満員御礼のご様子。
去年は真夏の暑い日に、汗かきつつ食べたのだが、これもまた良し。
備長炭と鉄鍋で、本当に美味しい鶏肉のお味。そこに池波正太郎が座っていそうな風情が漂う。今回は親子丼までしっかりいただいた。
味はもちろんのこと建物も、昔のままを保つのは大変だろうけれど、しっかり守っている。
町全体が協力し合って保っているたたずまい。老舗の信念やプライドは、さすがである。
「ぼたん」に行く前に「竹むら」の揚げまんじゅうを買い、食後は「ショパン」でコーヒーを飲み、かしまし娘(?)ほろ酔い神田グルメツアー終了♪大満足。
ただし、体重の方も大充実?!とほほほ・・・


《神田ぼたん》
1月18日

《ベースの背中》
冬晴れの日も、氷雨の日も、ライヴステージにたくさんの方が来て下さって、嬉しい毎日が続いている。
なんだかいただき物が多く、そのほとんどが食べ物であり、「太るぞぉ〜〜」と、ご一緒したピアニストの上里さんに心配されてしまった。
昨日はピアニストが上里さん、べーシストが小野さんのゴールデンコンビ。素晴らしい音色で支えていただいて、嬉しい日だった。小野さんのウッドベースは由緒ある楽器で背中には女神様がいて、幸せを運んできてくれそう。
ベースのような大きな楽器に比べて、ポケットに入る小さな楽器、ハーモニカ。この間、佐藤竹善さんのCDを聴いていたら、素晴らしいハモニカが聴こえて来て、この音色はもしや・・・と思ったら、なんと世界的ハーピストのトゥーツ・シルマンスが参加しているのだった。
こんなビッグな人に録音お願いできない私、CD用に4曲、自分の歌のバックにハモニカを吹きこんだ。大変だったけれど、気分はトゥーツ!?という曲もある。気分はウーゴ・ディアスという曲もある。CDはトラックダウンの段階に入った。完成が楽しみである。
1月23日
「酉年」の「酉」にさんずいをつけたら「酒」になるから、お酒の飲みすぎに注意しなくちゃ、と思いつつ毎日結構飲んでるとメールをお出ししたら、Iさんからお返事が・・・
飲みすぎると酉へんに「告」の、酷い目に遭う。最近は酉へんに「乍」の酢がブーム、もろみ酢は体にいいし、酉へんに「各」の酪農製品のチーズやヨーグルトも体に良い。さんずいの酉はほどほどで、酉へんの乍や各も可愛がってやって健康に気をつけて・・・といった内容。
はいわかりました、Iさん、ありがとうございます。気をつけます。
酉へんだと、「酌」とか「酔」とか「酎」といった字ばっかり思い浮かべる私。「醒」しなくっちゃ、ね!
1月26日
はっきり言って、活字中毒である。パソコンを買ったおかげで、2002年からエクセルで表を作って書きとめているのだが、一年にほぼ100冊の割合で読んでいる。そのほとんどは翻訳物じゃない小説、そしてエッセイを少々。
最近読んだエッセイの中に、久世光彦さんの『ニホンゴ キトク』という本がある。消えつつある情緒豊かな日本語がたくさん出てくる。幸田文さんや向田邦子さんの言葉の使い方についても触れてあって、嬉しくなる。敬語に関しても、「お電話いただけますか」は正しいけど「お電話いたします」には「お」はいらない・・・などは、私もつい丁寧すぎる使い方をしてしまっている。
いい本なので何人かの方にプレゼントしようと、大きな本屋さんで探したが、在庫は1冊のみ、再販予定無しだと言われてしまった。
最近、子供達の読解力が衰えたというニュースを聞いたばかりである。こういう良い本は、再版されてもいいんじゃな〜い?

《ニホンゴ キトク》
1月30日
映画三昧の日々だった。
「ハウルの動く城」吹き替えの倍賞千恵子さんが若い女の子からおばあちゃんまで声の使い分けが見事。美輪明宏さんも存在感のあるお声で(笑)私の中の宮崎アニメの順位としては「千と千尋の神隠し」「トトロ」の次くらいかな・・・
「ネバーランド(Finding Neverland)」ジョニー・デップはほんとにいろんな顔を持つ俳優さんだ。子供と動物には勝てない、といわれるけれどまさにその通り。落ち着いた佳作に、ほろり泣かせていただきました!
愛と勇気をくれるこの2作品とまた違った味わいながら良かったのが「モーターサイクル・ダイアリーズ(Diarios de Motocicleta)」
チェ・ゲバラの自伝をもとに作られた映画である。朝日新聞に、チェ・ゲバラと高杉晋作を、似ている革命家としてとらえた記事が出ていたが、2人とも熱い血潮の流れた人だったようだ。素晴らしい映画に出会えた。
この3作品に共通して流れるのは、自分を信じる事、信念を貫く事で道は夢はひらかれるということだったように思う。
よしっ、凡人は凡人なりに、あきらめず自分を信じて、励もうぞ!
1月31日
明日から、極寒の札幌だ。ここ数年は5月6月の札幌ばかりだった。2月は、なまら、しばれるべ〜〜!!
雪まつりが7日から始まるので、雪像つくりなども見られるかもしれない。スキーにも行けるかな・・・と思って、ウェアー一式は宅配便で送った。準備万端。
久し振りの方たちにお目にかかり、美味しい空気でリフレッシュ、夢のような一週間、楽しみだ♪
ただ、札幌から東京に戻る日の夜に、横浜関内の「Liar(ライアー)」でのライヴのお仕事が入っている。
2月8日は、雪で千歳空港が荒れませんように、飛行機が無事飛びますように、と祈っててくださいね。
あっ、それから、札幌に行ってパソコン見られない一週間の間に、ホームページのカウンターが【20000】になるかならないか微妙なところ。切り番Get!した方は、お知らせくださいませ〜〜
では、行ってまいります。
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